背泳ぎで腕を上げると肩が詰まり、手が水面すれすれを通る。腕を耳へ近づけようとするほど、身体全体が固まることがあります。

腕の回しやすさは、肩の柔らかさだけで決まりません。水中のかき終わり、身体の回転、反対側の腕との時間関係を見ます。

先に短く言うと、確認するのは次の3点です。

  • 手を水から抜く前に、肩が水面へ出ているか
  • 腕だけを真上へ持ち上げ、身体が平らなままになっていないか
  • 反対の手が止まり、片腕に時間が集中していないか

正面と横の動画を分ける

正面からは腕が身体の外へ逃げていないか、横からは手が水を離れる位置と肩の高さを見ます。

痛みがある場合は、可動域を広げる練習として続けません。この記事は痛みの診断や治療を扱うものではありません。

腕が回りにくいときの3つの確認

1. 身体を平らにしたまま腕だけ上げている

背泳ぎでは肩と骨盤が身体の長い軸の周りを回ります。回転があることで、腕を水から抜き、反対側を水中へ入れやすくなります。

最大速度のクロールと背泳ぎを比べた研究では、背泳ぎでも肩と骨盤に大きな回転が確認されています。

角度をまねる必要はありません。腕を上げる側の肩が、水面から離れる方向へ動いているかを見ます。

2. 手を抜く位置が遅れている

同じ研究では、背泳ぎはクロールより、手が後方移動を終えて水から出るまでの時間が長くなりました。

背泳ぎでは回復動作に使う割合も大きく、腕を戻す時間の構造がクロールと異なります。

手を太ももの横へ長く残してから急に持ち上げていないか、横動画で確認します。

3. 左右の腕を同時に急がせている

エリート選手14人の研究では、背泳ぎの腕は推進の間に時間差がある連携を使っていました。速度が上がると、その時間関係も変わります。

片腕が水中、片腕が空中にある時間を無理にそろえる必要はありません。水中の腕を急がせた結果、回復側の肩まで固まっていないかを見ます。

回転を大きくすることが目的ではない

大きく横を向けば腕が回る、という単純な話ではありません。回りすぎれば入水とキックが崩れることもあります。

通常泳、片腕背泳ぎ、両腕を身体の横に置いたローリングを短い距離で比べ、肩が動きやすい範囲を探します。

まとめ

背泳ぎで腕が回しにくいときは、肩だけを押し上げません。

  • 手を抜く前に肩が動いているか
  • 身体が平らなまま腕だけ上がっていないか
  • 左右の腕の切り替えを急がせていないか

正面と横の動画で一つずつ確認します。肩に痛みがあれば、フォーム調整より先に練習を止めます。

よくある質問

背泳ぎでは腕を耳に付けるべきですか?

全員に同じ位置は当てはまりません。肩幅や可動域で変わります。無理に寄せず、身体の回転と入水後の方向を確認します。

肩が硬いと背泳ぎはできませんか?

可動域だけで決まりません。手を抜く位置、身体の回転、左右の連携でも回しやすさは変わります。痛みのない範囲で比較します。

参考文献