
フィンスイミングの種目とルール|SF・AP・IM・ビーフィンの違い
フィンスイミングは、フィンを使う競技の総称です。プール競技には、水面を進むサーフィス、息を止めて潜るアプニア、空気器材で呼吸するイマージョン、左右2枚のフィンを使うビーフィンがあります。水面で泳ぐか水中で泳ぐか、何を使って呼吸するかを見ると、種目を区別しやすくなります。
出場時に迷いやすいのは、ビーフィンの国際規則と国内のJビーフィン、そしてスタート・ターン後の15mです。以下は2026年9月9日に確認したプール競技の説明です。競技を始めるまでの流れはフィンスイミングとはどんなスポーツかで紹介しています。
SF・AP・IM・ビーフィンは、泳ぐ場所と呼吸方法が違う
| 種目 | 泳ぐ場所と呼吸方法 | 長水路の個人種目の距離例 |
|---|---|---|
| サーフィス(SF) | シュノーケルを使い、水面を進む | 50・100・200・400・800・1500m |
| アプニア(AP) | 息を止めて水中を進む | 50m |
| イマージョン(IM) | 圧縮空気の器材で呼吸し、水中を進む | 100・400m |
| CMASビーフィン(BF) | 左右2枚のフィンで、シュノーケルを使ってクロール | 50・100・200・400m |
距離欄はJUSFの競技紹介に掲載された長水路の個人種目例です。すべての大会がこの全種目を実施するわけではなく、短水路や体験的な大会、リレーの構成も別に確認します。海や湖などのオープンウォーターには、プールとは別の規則があります。
SF・AP・IMでは大きなモノフィンがよく使われますが、「必ず1枚のモノフィンでなければならない」と覚えると規則を狭く捉えてしまいます。CMAS規則2.5.1では、これらの種目で2枚のフィンも認めています。モノフィンの構造を知りたい場合は、モノフィンの基本と選び方も参考になります。
サーフィスは水面を進み、15mより前に頭かシュノーケルを出す
サーフィスは、水面でシュノーケルを使って呼吸する種目です。CMAS規則では泳ぎ方そのものを特定していません。モノフィンを着け、腕を前に伸ばして身体のうねりを使う姿が代表的です。
スタート・ターン後に潜れるのは15mの区間内で、その終わりより前に、頭かシュノーケルを水面に出します。15m区間の外では、身体または用具の一部が常に水面から出ている必要があります。「身体の一部だけが判定対象」「頭が常に水面上でなければならない」という説明とは区別してください。CMAS規則2.2.1
観戦では、スタート後に一度潜り、そこから水面の泳ぎへ移るところを見ると、同じ水中を進むAPやIMとの違いが分かります。
アプニアは顔を水中に保ち、シュノーケルを使わない
アプニアでは、呼吸を止めて泳ぎ、全距離を通して顔を水中に保ちます。シュノーケルの使用は認められていません。サーフィスの「スタート後だけ潜る泳ぎ」を長く続ける種目、と考えるのではなく、別の競技条件として学びます。
JUSFの紹介には25mの記載もありますが、参加できる距離や年齢は、その大会に適用される要項で確認します。2026年度のJUSF主催大会の申し合わせでは、すべてのアプニア種目を年齢区分14歳以上としています。紹介ページの距離欄だけを見て、子どもが出られると判断しないようにします。JUSF・2026年度の注意点
競技距離を、そのまま自主練習の息止め目標にするのは避けます。DANは、単独での息止め潜水や潜る前の過換気を避け、訓練を受けた監視者と適切な指導のもとで行うよう説明しています。始めたい場合は、専門の指導者がいるクラブへ相談してください。DANの安全解説
イマージョンは圧縮空気で呼吸し、器材も競技規則に従う
イマージョンは、圧縮空気の呼吸器材を使い、全距離を通して顔を水中に保つ種目です。アプニアとの違いは、潜ったまま呼吸できる器材を使う点です。
CMAS規則2.2.3では、器材の運び方は限定していません。したがって「ボンベを背中に装着して泳ぐ種目」とは限りません。一方、途中で呼吸器材を交換・放棄することはできず、器材をプールの壁やタッチ板に接触させることも認められていません。
泳者がフィニッシュのタッチ板に触れることと、器材を壁へ当てることは別です。通常の競泳やレジャーダイビングの経験だけで自己流に試さず、競技用器材の扱いと壁への近づき方を指導のもとで身につけます。
CMASビーフィンとJビーフィンでは、用具と泳法の条件が違う
ビーフィンには、国際規則に沿うCMASビーフィンと、国内独自のJビーフィンがあります。申込画面に「BF」とあっても、どちらなのかを要項で確かめてから用具を選びます。
| 確認項目 | CMASビーフィン | Jビーフィン |
|---|---|---|
| 通常の泳法 | クロール | 泳法は自由。ただしドルフィン泳はスタート・ターン後15m内のみ |
| シュノーケル | 原則使用する | 使用は任意 |
| フィン | CMASの認定条件に従う | 材質・サイズを問わない |
| スタート時のフィン位置・姿勢 | 規則に指定がある | スタート台上の構えに制限はない |
Jビーフィンは自由な部分が多くても、潜水やドルフィン泳を全距離で続けてよい種目ではありません。どちらも潜水はスタート・ターン後15m内に限られ、15mの終わりより前に頭かシュノーケルを水面へ出します。Jビーフィン競技規定

プールのビーフィンで、潜水・ドルフィン泳が認められる区間と、その後の泳法を示した模式図です。矢印はスタート・ターンから先へ進む順序で、距離の縮尺は表していません。SF・AP・IMの規則を示す図ではありません。
なお、CMASのマスターズ規則2.4.2には、シュノーケル使用に問題がある選手が使用せずにスタート・泳ぐことを認める特例があります。一般のBFの説明と混ぜず、出場大会での適用を確認します。Jビーフィンでも、2026年度JUSFの案内では、使い始めたシュノーケルを途中で放棄すると失格になるため、「任意だから途中で外してよい」とは考えないようにします。
申込前に、規則の版・国内の注意点・大会要項を読む
2026年に出る大会だから、技術規則の名前も必ず「2026版」になるわけではありません。今回確認したCMASの技術規則はVersion 2025/02、施行日は2026年1月1日です。JUSFの2026年度の注意点も、この版を基礎に国内の申し合わせを加えています。ワールドカップなどの大会別規定の年号と混同しないようにします。
出場前は、次の順で自分の条件を照合します。
- 種目と区分:SF・AP・IM・CMAS BF・J BFのどれか。距離と参加年齢が合うか。
- 用具:フィン、シュノーケル、水着がその種目の条件に合うか。
- 国内の検査:用具検査の時刻、承認表示、保護テープなどが必要か。
- 当日の案内:招集やスタート手順に追加の指定がないか。
2026年度JUSFの注意点には、フィンとシュノーケルの大会ごとの検査、モノフィンの国内承認表示などが記載されています。CMASの承認表示があれば国内の確認もすべて終わり、とは扱いません。ラバーブレードのモノフィンは国内承認シールの対象外でも、検査は必要とされています。
まず出場したい種目を決め、その条件に合う用具かをクラブや指導者と確認すると、買い直しを減らせます。フィンスイミングを始めるときの用具と練習環境へ進み、実際に試せる場所から探してみてください。


