フィンスイミングは、足ヒレを着けて水面や水中を進み、速さを競うスポーツです。 片足ずつ2枚のフィンを履く種目もあれば、両足を1枚の大きなフィンに入れて泳ぐ種目もあります。

動画で見た泳者がシュノーケルを着けていたのか、水中に潜ったままだったのかによって、見ている種目が変わります。興味を持ったら、道具を買う前に「どんな種目を体験したいか」と「教わって泳げる場所があるか」を確認すると、準備を進めやすくなります。

モノフィンは両足で1枚、ビーフィンは片足ずつ2枚

フィンの形を見れば、まず二つに分けられます。モノフィンは、左右の足を一枚の大きなブレードにつながる足入れ部分へ収める道具。ビーフィンは、左右それぞれの足に独立したフィンを履く道具です。日本水中スポーツ連盟の競技紹介

両足を1枚のブレードにつなぐモノフィンと、片足ずつ独立した2枚のビーフィンの違い

足入れ部分とブレードの関係を示した模式図です。製品ごとの形状、サイズ、素材、競技での承認状況は省略しています。フィンの大きさで速度差を示す図ではありません。

モノフィンを使うサーフィスでは、体を波打たせるような動きで進みます。一方、プールのCMASビーフィンはクロールで泳ぐ種目です。フィンスイミング全体を「腕を使わず、キックだけで泳ぐ競技」と覚えると、ビーフィンの泳ぎ方と合わなくなります。CMASの種目紹介

競泳の練習用にフィンを持っていても、出たい種目で使えるかは別の確認が必要です。同じ「ビーフィン」という呼び方でも、競技区分によって用具の条件が違います。

購入を考える段階では、モノフィンのサイズ・硬さ・試着の確認点も確認してください。道具の形が同じでも、足入れ部分やブレードの仕様は製品ごとに違います。

水面を泳ぐ種目と、水中を進む種目がある

プール競技で見かける主な分類は次の四つです。表は見分けるための概要で、出場種目のすべての規則を示すものではありません。

種目略号観戦時に見る特徴
サーフィスSFシュノーケルを使い、水面を進む
ビーフィンBF左右独立した2枚のフィンを使う
アプニアAP呼吸用の器材を使わず、水中を進む
イマージョンIM圧縮空気の器材を使い、水中で呼吸して進む

サーフィスとビーフィンは、フィンを着けた泳ぎを見たい人が比較しやすい種目です。足をそろえた動きなのか、クロールの腕の動きがあるのかを見ると、道具と泳ぎ方の関係が分かります。

アプニアとイマージョンは、どちらも水中を進みますが、呼吸の仕組みが違います。アプニアを「シュノーケルで呼吸する潜水種目」と説明するのは誤りです。JUSFの紹介でも、アプニアではシュノーケルを装着しないとされています。イマージョンは空気ボンベとレギュレーターを使う種目です。JUSFの各種目説明

距離の一覧や、スタート・ターン後の扱いを調べたい場合は、フィンスイミングの種目とルールで出場するカテゴリを確認してください。サーフィスとアプニアは、同じ距離でも別種目です。記録を見るときも種目名を省かず、短水路・長水路の別を合わせます。プールの長さと記録の違いも参考になります。

出場する種目が決まったら、フィンスイミングの種目別ルールで、泳法・潜水・用具の条件を確認できます。国際規則と国内のJビーフィンは分けて読んでください。

初めての大会は「CMASビーフィン」か「Jビーフィン」かを確認

国内の大会案内でビーフィンを探すと、CMASビーフィンとJビーフィンの名称が出てきます。CMASビーフィンは国際規則に沿う区分。Jビーフィンは、国内の普及を目的に用具などの条件を緩めた区分です。

JUSFが掲載するJビーフィン競技規定では、ビーフィンの素材・サイズは問わず、シュノーケルの装着は任意とされています。泳法は自由ですが、ドルフィン泳が認められるのはスタートとターン後の15m以内に限られます。潜水についても15mの制限があり、15m地点に達する前に頭部またはシュノーケルの一部を水面へ出す必要があります。Jビーフィン競技規定

この違いから、手持ちのフィンを使いたい人は、商品を買い足す前に大会名と種目欄を見せて相談するのがよさそうです。「フィンスイミング用だから使えるはず」と判断せず、製品名や形状を伝え、その区分で使えるか確かめます。

用具の規定が緩いことと、練習せずに出場できることは別です。参加資格、実施距離、登録や申込方法は、その大会の開催要項を読んでください。

練習場所と貸出用具を確認してから購入する

体験を探すときは、JUSFの加盟団体一覧などから通える地域の活動先を調べます。ただし、この一覧には「平成30年2月末現在」と記載されています(2026年9月9日確認)。現在の体験受付一覧とは扱わず、各団体の公式案内で活動状況を確かめたうえで、次の内容を問い合わせます。

  • 大人の未経験者が参加できる練習や体験があるか。
  • サーフィスとビーフィンのどちらを教わる機会があるか。
  • フィンやシュノーケルの貸出があるか。足のサイズも伝える。
  • 自分で持ち込む場合、どの用具を用意すればよいか。

モノフィンは両足が一枚のブレードにつながるため、通常の水泳と同じ感覚で歩いたり移動したりできません。装着する場所や入退水も、体験先の指示に従います。準備する道具と練習環境の確認は、フィンスイミングの始め方にもまとめています。

一般開放のプールを使う場合は、フィンやシュノーケルの使用可否、利用できるレーンを施設に確認します。泳ぐ方向や他の利用者との間隔は、プールのレーン利用マナーも参考にしてください。

潜水種目に興味があっても、一人で息止め距離を延ばす練習へ置き換えないでください。潜水安全団体DANは、息を止める潜水を単独で行わず、潜る前の過換気を避け、適切な指導と監視を受けるよう説明しています。DANの潜水安全解説

競泳とは別の大会・規則で行われる

フィンスイミングの国際競技を扱うのはCMAS(世界水中連盟)、日本の窓口はJUSF(日本水中スポーツ連盟)です。競泳の大会にフィンを持って参加する種目ではなく、フィンスイミングとして大会や記録が設けられています。

CMASの公式ページには国際大会の予定や結果が掲載されています。国内大会を探すときはJUSFのお知らせで、開催要項と追加の案内を確認できます。

泳いでみたい種目が決まれば、体験先へ聞くことも具体的になります。「足ヒレで速く泳いでみたい」から一歩進めて、2枚のフィンでクロールをしたいのか、モノフィンの動きを教わりたいのかを伝えてみてください。

参考資料

競技・安全の資料は2026年9月8日、加盟団体一覧の基準日は9月9日に確認。種目名や用具の条件は、出場大会の最新要項と競技規則を優先してください。