バタフライで呼吸した直後、腰と脚が沈み、次のひとかきが重くなる。息を吸おうとするほど、身体が上へ跳ねる感覚が出ることがあります。

呼吸そのものをなくす前に、頭を上げ始める時期と、水中へ戻す時期を見ます。呼吸は腕と2回のキックの時間関係にも影響します。

先に短く言うと、確認するのは次の3点です。

  • 顔を前へ出すために、頭だけを反らせていないか
  • 手が水を押し終わる前に、呼吸を急いでいないか
  • 腕が前へ戻る前に、顔も水中へ戻り始めているか

呼吸すると手足のつながりも変わる

エリート男性12人が4つのレースペースで泳ぎ、呼吸ありと呼吸なしのストロークを比べた研究があります。

呼吸ありでは、腕と脚の推進が途切れる時間が長くなりました。1回目の下向きキックが短く、腕で水をとらえる時間と上向きキックが長くなり、前で伸びる時間も増えています。

一方、手が水を離れる時期と2回目のキックは近づきました。呼吸のために、腕のかき終わりが短くなったことが関係していました。

呼吸は頭だけの動作ではありません。腕のかき終わりと2回のキックまで変わる可能性があります。

沈む場所を横動画で分ける

1. 頭を上へ持ち上げている

口を水面へ出すために顎を前上方へ突き出すと、頭と肩の上下動が大きくなります。

横から、頭頂部が前へ進みながら水面へ出るのか、同じ場所で上へ動くのかを見ます。

2. 呼吸がかき終わりより遅い

手が太ももの横を過ぎてから顔を上げると、腕を前へ戻す時間まで呼吸動作が残ります。

顔が最高点に達する場面と、手が水を離れる場面を止めて比べます。顔が遅れて上がるほど、頭を戻す時間も後ろへずれます。

3. 顔を戻す前に腕が入水している

腕が前へ戻ってきても顔が水上に残っていると、次の入水で頭、胸、腰が同時に沈みやすくなります。

手が目の前を通るころに、視線がすでに水中へ向かっているかを確認します。

呼吸回数だけで決めない

全国レベルの女性選手8人が、毎ストローク呼吸する条件と、呼吸あり・なしを交互に行う条件で25mを泳いだ研究があります。

筋肉の組み合わせは大きく変わりませんでしたが、活動を始める時期には違いが出ました。研究では、呼吸動作そのものより呼吸頻度の違いが、筋活動の時間に影響すると結論づけています。

呼吸回数を減らせば全員速くなる、という結果ではありません。息苦しさでフォームが崩れる人もいます。

普段の呼吸回数と、1回減らした条件を短い距離で比べ、頭の軌道と後半の泳ぎを一緒に見ます。

まとめ

バタフライで呼吸後に沈むときは、息を吸う量だけでなく時期を確認します。

  • 頭だけが上へ動いていないか
  • 呼吸がかき終わりより遅れていないか
  • 腕の入水前に顔が水へ戻っているか

横動画で顔の最高点、手の抜き上げ、次の入水を3場面に分けます。

よくある質問

バタフライは毎回呼吸しないほうがよいですか?

全員に共通する答えはありません。種目距離や呼吸能力で変わります。まず普段の呼吸回数のまま、頭を戻す時期を確認します。

呼吸では前を見るべきですか?

前方確認が必要な場面はありますが、見続けると頭を戻すのが遅れます。動画では視線より、頭が上ではなく前へ動いているかを見ます。

参考文献