バタフライで2回キックしているつもりなのに、腕と合っている感じがしない。1回目と2回目の違いが分からず、脚だけを速く動かしてしまうことがあります。

先に短く言うと、2回のキックは次の場面で見分けます。

  • 1回目は、手が前へ入り、水をとらえ始める場面
  • 2回目は、手が後ろへ水を押し、抜け始める場面

大切なのは、足を2回動かすことではなく、腕のどこに下向きキックが重なっているかです。

バタフライの1回目と2回目のキックを腕の動きと合わせて示した図

キックの時期はペースで変わる

エリート男性14人が、400mから50mに相当する4つのペースで泳いだ研究があります。

速度が上がると、ストローク頻度、腕のかき、腕の戻し、1回目の下向きキックに使う割合が増えました。1回で進む距離や、腕を前へ伸ばして待つ時間は短くなりました。

ゆっくり泳ぐときと全力では、同じ間になりません。まず同じペースの動画同士を比べます。

1回目のキックを見る

手が入水した直後から、水を後ろへ動かし始めるまでを見ます。

競技者40人を技能、性別、ペースに分けた研究では、腕と脚の時間関係に技能レベルや速度による違いが見られました。

1回目のキックが手の入水より大きく遅れると、腕を前に置いたまま待つ時間が増えます。逆に早すぎると、手が前へ届く前にキックが終わることがあります。

動画では、足が最も深くなる場面と、手が水をとらえ始める場面を止めます。

2回目のキックを見る

手が肩の下を通り、太もも側へ水を押す場面を見ます。

2回目の下向きキックが、手の抜き上げより大きく遅れると、腕を肩だけで持ち上げやすくなります。早く終わりすぎると、かき終わりと腕の戻しを支えられません。

足が最も深くなる場面と、手が水を離れる場面がどれだけ離れているかを確認します。

4場面の表で整理する

腕の場面脚で見る場所
手が入水する1回目の下向きキックが始まる時期
手が水をとらえる1回目のキックが終わる時期
手が肩の下を通る2回目の下向きキックが始まる時期
手が水を離れる2回目のキックが終わる時期

この表は全員に同じフレームを当てはめる基準ではありません。どちらのキックが腕から離れているかを見つけるために使います。

片方ずつ直す

2回を一度に合わせると、どちらが変わったか分かりません。

  1. 入水からキャッチだけを見る
    1回目のキックを確認します。
  2. かき終わりから腕の戻しだけを見る
    2回目のキックを確認します。
  3. 3ストロークを続ける
    1回目だけ合い、2回目が遅れていないかを見ます。

泳ぐ速度が変わるとタイミングも変わるため、比較する本数ではペースをそろえます。

まとめ

バタフライのキックが合わないときは、足の回数だけを数えません。

  • 1回目は入水からキャッチとの関係を見る
  • 2回目はかき終わりから手の抜き上げとの関係を見る
  • ゆっくり泳ぐときと全力を分けて比べる

横動画を4場面で止め、離れているキックから一つずつ調整します。

よくある質問

1回目と2回目は同じ強さで蹴りますか?

研究は全員に同じ強さを求めていません。まず強さより、腕のどの場面に重なっているかを確認します。

キックは膝を曲げないほうがよいですか?

膝は動きます。曲げないことが目的ではありません。足だけが大きく遅れ、身体の波と切れていないかを横動画で見ます。

参考文献