バタフライは最初の数ストロークだけなら泳げるのに、25mの後半で腕が抜けなくなる。脚も深くなり、急に前へ進まなくなることがあります。

すぐ疲れる原因を体力だけで考えると、後半にどの動きが変わったのかを見落とします。最初と最後のストロークを比べると、直す場所を絞れます。

先に短く言うと、記録するのは次の4点です。

  • 1回で進む距離が短くなっていないか
  • 肘がかきの途中で下がっていないか
  • 2回のキックで足が深くなっていないか
  • かき終わりと腕の戻しが長くなっていないか

疲労はフォームの変化として現れる

女性選手7人が、抑えた速度と全力で100mバタフライを泳ぎ、最初と最後の25mを比べた研究があります。

どちらの強度でも、最後の25mは速度、1回で進む距離、ストローク頻度が低下しました。肘が下がる動きと、2回の下向きキックで足が上下する幅は大きくなりました。

腕で水を押す時間と、水上で腕を戻す時間も長くなっています。全力条件では、1ストローク内の速度変化も大きくなりました。

対象は7人と少ないため、全員に同じ順番で崩れが起きるとは言えません。それでも、疲労をタイムだけでなく動きの変化として見る材料になります。

最初と最後で比べる

1. ストローク長

25mの前半と後半で、同じ2ストロークが進んだ距離を比べます。回数を増やしているのにタイムが落ちるなら、1回で進む距離も短くなっています。

2. 肘の位置

正面斜め下から、手が肩の下を通る場面を見ます。疲れた後だけ肘が手より先に後ろへ流れていないかを確認します。

3. 足の深さ

横から、1回目と2回目のキックで足が最も深くなる位置を見ます。後半だけ深くなるなら、強く蹴っていても上下動が増えています。

4. 腕を戻す時間

手が水を離れてから、次に入水するまでを比べます。後半だけ長くなると、身体が前へ進む時間より腕を運ぶ時間が目立ちます。

25mを短く分けて撮る

疲労の変化を見るときは、1本のきれいなフォームだけを撮りません。

  1. 25mを一定の強さで泳ぐ
    最初の3ストロークと最後の3ストロークを撮ります。
  2. 休息をそろえてもう1本行う
    同じ場所から崩れるかを確認します。
  3. 変わった項目を一つ選ぶ
    距離、肘、足、腕の時間のどれかに絞ります。

若い男性選手8人を速い群と遅い群に分けた研究では、速い群はストローク頻度と水を押す力が高く、泳速はストローク効率の指標と関係していました。

回数だけ、力だけでは決まりません。疲れた後に1回の動きから前への速度を残せているかを見ます。

まとめ

バタフライですぐ疲れるときは、最初と最後の動きを比べます。

  • 1回で進む距離が短くなっていないか
  • 肘と足の軌道が大きくなっていないか
  • かき終わりと腕の戻しが長くなっていないか

最初に変わった場所が、次の練習で優先して見る場所です。一度に全部を直す必要はありません。

よくある質問

バタフライは筋力がないと続きませんか?

筋力は一要素ですが、研究では後半にストローク長や肘、足の軌道も変わっています。体力だけでなく、最初に崩れる動きを確認します。

疲れたらストローク数を増やすべきですか?

回数を増やして速度を保てる場合もありますが、1回で進む距離が落ち続けると負担が増えます。タイムとストローク数を一緒に記録します。

参考文献