
バタフライのうねりが大きすぎる?前に進む波の見直し方
バタフライで「うねりすぎ」と言われても、身体の波をなくすべきか迷います。上下動を小さくしようと身体を固めると、今度はキックと腕がつながらなくなることがあります。
バタフライには身体の波があります。問題は波があることではなく、頭、肩、腰、膝、足が同時に上下し、前へ伝わっていないことです。
先に短く言うと、次の3点を見ます。
- 頭から足までが、一緒に上下していないか
- 胸を沈めた後、腰、膝、足へ順番に動きが伝わっているか
- 上下動の大きさに対して、身体が前へ進んでいるか
上手なバタフライにも身体の波がある
男女のエリート選手16人の頭、肩、腰、膝、足の上下動を分析した研究があります。
身体の波は頭側から足側へ伝わり、その伝わる速さと身体の前進速度には強い関係がありました。
選手が身体の重心の上下動を最小限にしていた証拠はなく、隣り合う部位の時間差が、むちのような動きに関わると考察されています。
「上下動は小さいほどよい」とは言えません。見るべきなのは、波が後ろへ伝わり、前進につながっているかです。
大きさより順番を見る
1. 頭と腰が同時に沈んでいないか
横動画で、頭、肩、腰の最も深い場面を止めます。すべてが同時なら、身体全体が上下しているだけで、波の時間差がありません。
2. 膝から動き始めていないか
膝を先に曲げると、足だけが大きく上下します。胸と腰の動きが先にあり、その後に膝と足が続いているかを見ます。
3. 呼吸時だけ波が大きくなっていないか
呼吸では頭と肩が水面へ出るため、上下動が変わります。呼吸ありと呼吸なしを同じ動画の中で比べます。
フィンを外すと動きは変わる
短距離のバタフライをフィンあり・なしで比べた研究では、腰の動く幅はフィンなしで大きく、首の付け根付近の動く幅はフィンありで大きくなりました。
フィンを使った動きが、そのまま通常のバタフライになるわけではありません。フィンを外したときに腰や膝の動きが急に大きくなる場合は、別の条件として見ます。
3本だけ比較する
これは研究で効果が確かめられた矯正法ではなく、波の出方を比べる方法です。
- 通常のバタフライを3ストローク泳ぐ
頭から足への順番を撮ります。 - 呼吸なしで3ストローク泳ぐ
呼吸時だけ上下動が増えるかを見ます。 - フィンを使う場合は別に撮る
通常泳と同じ基準で混ぜません。
動画には、頭、肩、腰、膝、足の5点を目印として置きます。角度を測らなくても、最も深くなる順番を追うだけで違いが見えます。
まとめ
バタフライのうねりが大きいと感じても、波そのものを消しません。
- 頭から足までが同時に上下していないか
- 胸から腰、膝、足へ順番に伝わっているか
- 上下動に対して前へ進めているか
大きさより、波の順番と前進距離を見ます。呼吸あり・なし、フィンあり・なしは別の条件として比べます。
よくある質問
バタフライでは胸を強く沈めるべきですか?
強く沈めることが目的ではありません。胸の動きが腰、膝、足へつながり、身体が前へ進むかを見ます。
うねりを小さくすれば速くなりますか?
必ずしも速くなりません。エリート選手にも身体の波がありました。上下動の幅だけでなく、各部位の時間差と前進距離を確認します。
参考文献
- Sanders RH, Cappaert JM, Devlin RK. Wave characteristics of butterfly swimming. Journal of Biomechanics. 1995.
- Psycharakis SG, et al. Rotational kinematics of pelvis and upper trunk at butterfly stroke: Can fins affect the dynamics of the system?. Journal of Biomechanics. 2016.
- Strzała M, et al. Butterfly Sprint Swimming Technique, Analysis of Somatic and Spatial-Temporal Coordination Variables. Journal of Human Kinetics. 2017.


