いつもは25mプールで泳いでいるけれど、今日は50mプール。同じ「100m×4本、2分サークル」を泳いだら、休む時間がほとんど残らなかった。そんなときは、長水路用の換算タイムを探す前に、そのメニューで何をそろえたいのかを決めます。

距離、泳ぐ時間、休息、ターン数は、プールが変わると全部を同時にはそろえられません。この記事では、普段のメニューを別の長さのプールへ持っていくときの調整例を紹介します。

水路そのものや競技記録の違いは、短水路と長水路の違いで説明しています。ここで扱うのは、今日の練習をどう組み直すかです。

同じ100mでも、ターンの回数はそろわない

壁から出発して100m泳ぐと、25mプールでは途中に3回、50mプールでは1回のターンが入ります。出発時の壁蹴りと最後のタッチは、この回数に含めません。

距離が同じでも、壁を使って進む場面と、水面を続けて泳ぐ区間の長さが違います。「いつもの100mと同じタイムにならない」だけでは、その日の調子が悪いとは判断できません。

比較するときは、変更できる条件を先にそろえます。

確認する条件記録の例
出発壁蹴り。飛び込みの記録とは分ける
泳法・距離クロール100m
休息タッチ後に20秒休む
道具フィン・パドルなし
泳ぐ強さ余裕を残す。同じ主観的なきつさを目安にする
変わる条件25m/50m、ターン3回/1回

これでも、身体への負荷が厳密に同じになるわけではありません。条件を残しておけば、後でタイムを見返したときに比較の限界が分かります。出発方法を混ぜない理由は、壁蹴りと飛び込みのタイムの分け方も参考になります。

休息20秒を残したいなら、泳ぎ終わってから数える

サークルは、泳ぐ時間と休む時間を合わせた出発間隔です。泳ぐ時間が延びれば、同じサークルで残る休息は短くなります。U.S. Masters Swimmingも、出発間隔を決める練習と、到着後の休息を決める練習を区別しています。Adult Swim Training

例えば、次のように泳いだとします。数値は計算を説明するための架空例で、長水路では必ず10秒遅くなるという意味ではありません。

プールと設定100mの所要時間次の出発までの休息
25m・2分サークル1分40秒20秒
50m・2分サークル1分50秒10秒
50m・2分10秒サークル1分50秒20秒

100mの泳ぐ時間が1分40秒から1分50秒へ延びると、2分サークルの休息は20秒から10秒に減る。2分10秒へ変えると20秒休める計算例

泳ぐ時間と休息を足した模式図。棒の長さは厳密な縮尺ではありません。数値は架空例で、水路間の換算式ではありません。

目的が「各本の後に20秒休み、フォームを保って4本泳ぐ」なら、最初から「100m×4本、Rest 20秒」にしてもよいでしょう。泳ぐ時間がばらついても、休息は一定になります。表記の読み方は練習メニューの略語とサークルで確認できます。

一方、決まった時刻にレーン全員が出発する練習では、自分だけ出発を遅らせないようにします。コーチに相談し、サークルやレーン、本数を調整します。

同じ本数が難しい日は、距離か本数を一つ変える

休息を確保しても、50mプールでは最後までフォームを保てない。そう感じたら、タイムをそろえようと力む前に、メニューの量を見直します。

例えば、普段の「100m×4本」が難しければ、次のどちらを選ぶかで練習の意味が変わります。

  • 100m×3本にする: 100mを続けて泳ぐ経験を残し、合計距離を減らす。
  • 50m×4本にする: 1本の距離を短くし、壁で呼吸や動きを確認する機会を増やす。

いずれも編集部が示す調整例です。同じ効果になる組み合わせではありません。「100mを一定のリズムで泳ぎたい」のか、「崩れる前に動作を確かめたい」のかで選びます。

距離を短くしたうえで本数を増やし、さらに休息も削ると、何を変えた結果なのか分かりにくくなります。まず一つ変え、実際に泳げた量ときつさを残しましょう。判断の目安は水泳のRPEの使い方、集団練習で遅れる場合はサークルに間に合わないときの調整で扱っています。

「25mドリル+25mスイム」は、50mプールでは壁で区切れない

25mプールなら、1往復の途中で壁に着いて泳ぎ方を変えられます。50mプールで同じことをする場合、25m地点には壁がありません。

途中で立ち止まる前提のドリルや、25mを泳ぐので精いっぱいのメニューを、そのまま持ち込まないようにします。レーンの流れを止めずに泳法を切り替えられ、施設や練習会で認められているなら、泳ぎながら切り替える方法があります。難しければ、その50mは通して無理なく泳げる内容に変えるか、25mプールで行う練習として残します。

また、25mプールで長水路をまねるために、壁の手前で折り返したり、レーンの途中で止まったりする必要はありません。壁を使う条件の練習として記録し、長水路で確認したい課題を別にしておきます。

タイムを合わせるためにフィンを足さず、条件を残す

フィンを使う練習そのものには目的があります。ただし、道具なしの25mプールと、フィンありの50mプールを同じタイム表で評価すると、水路と道具の違いが混ざります。

道具を使うなら、施設の使用条件を確認したうえで、使用ありの記録として分けます。サークルに追いつくためだけに追加していないかを確認してください。

練習後は「50mプール/壁蹴り/クロール100m×3/Rest 20秒/道具なし/最後も呼吸に余裕あり」のように残せば十分です。タイムだけでは失われる条件は、練習記録に残す項目で整理できます。

競技記録を分析した研究でも、水路による差は種目や泳法などで異なりました。これは記録集計の結果であり、一人ひとりの練習負荷を換算する式ではありません。Iglesias Garcíaらの研究

次に同じプールへ行ったときは、前回と同じ条件で泳ぎ、そのうえで本数や休息を変えます。プールが違った日のタイムを無理に一本の基準へ直すより、練習の目的を引き継ぎやすくなります。