
平泳ぎですぐ疲れるのはなぜ?ペース・休息・後半の動きを確認する
平泳ぎはゆっくり泳いでいるつもりなのに、25mの後半で急に苦しくなる。腕や脚を強く動かしても、壁までが遠く感じる。そんなときは、体力やフォームの一つの欠点だけに理由を求めず、どの時点からきつくなり、同時に何が変わったかを残してみましょう。
1本目から余裕がない場合と、何本か泳いだ後に崩れる場合では、練習の調整が変わります。手足をすべて直そうとする前に、ペースと休息を確認し、動きを比べられる状態を作ります。
1本目から苦しいなら、最初のペースを落とす
「ゆっくり」は、見た目のテンポと、自分にとってのきつさが一致するとは限りません。腕を動かす回数が少なくても、一回ずつ強くかいたり、長く待ってから強く蹴り直したりしていれば、楽に泳げているかは別です。
初めの25mから余裕がなければ、同じタイムを守ることより、力みを減らして普段どおりに呼吸できるペースを探します。呼吸の回数を減らしたり、伸びている間の息止めを長くしたりして距離を延ばす方法は使いません。
25mごとに壁で休める環境なら、一本泳いだ後に呼吸が落ち着くまで休んでください。続けて50m、100mと距離を増やすことは、25mで毎回余裕を失っているときの優先事項ではありません。
一方、いつもと違う息苦しさや痛み、めまいがある日は、フォーム比較を続けず練習をやめます。ここで扱うのは普段の練習負担の見直しで、体調不良の原因を判定する方法ではありません。
後半で疲れるときは、タイムと回数と休息を同じ行に残す
泳いだ回数が増えるにつれてきつくなる場合は、距離だけでなく一本ごとの記録を使います。たとえば25mなら、手でかいて脚で蹴る一周期を1回として数え、タイム、休息、本人の感覚を同じ行に残します。
次は、記録の見方を説明するための架空の例です。推奨タイムや目標回数ではありません。両方とも同じ25mプール、壁蹴り出発、道具なしで泳いだとします。
| 項目 | 最初の1本 | 後の1本 |
|---|---|---|
| 25mのタイム | 33秒 | 36秒 |
| ストローク数 | 10回 | 12回 |
| 出発前に壁で休んだ時間 | 60秒 | 60秒 |
| 泳ぎ終わりの感覚 | まだ余裕がある | 脚が重く、後半で手足を急いだ |
この例では、後の一本は回数が増え、タイムが遅くなり、本人の感覚も変わっています。ただし「キックが弱くなったから」とはまだ言えません。壁の蹴り出しや最初の浮き上がりが違うだけでも、25mのタイムと回数は変わります。

編集部作成の架空の比較例。色を付けた範囲は動画で見る後半の区間です。33秒・10回と36秒・12回は、それぞれ25m全体の記録で、色の区間だけの値ではありません。
休息を長くした日は、実際の時間を書きます。比較のために60秒で出発しなければならない、という意味ではありません。サークルと休息を混同しやすい場合は、練習メニューの表記とレストの読み方で確認できます。
数字で負担を残すなら、RPEの使い方を参考に、使う尺度と記入時点をそろえます。一本直後の感覚と、練習全体の評価は別欄にしてください。
腕・脚・呼吸の変化を、動画の同じ区間で探す
撮影できる環境では、最初と後の一本から、壁の近くを避けた同じ区間を見比べます。「最後の二周期」など範囲を決めると、最初の長い蹴り出しと通常の泳ぎを比べずに済みます。撮影は施設の許可と周囲への配慮のもとで行ってください。
腕が先に疲れたと感じるなら、かき終わった手が胸の前で待っていないか、前へ戻すまでの動きが変わっていないかを見ます。詳しい観察位置は平泳ぎのプルで進まないときの確認にあります。
脚が重くなったときは、足を閉じる前に次のプルが始まっていないか、反対に足を閉じてから長く待つようになっていないかを比べます。どちらも一コマだけで失敗とは決めず、最初の一本との差を確認します。手足のタイミングの見方では、動画を止める場面を詳しく説明しています。
呼吸後に立ったような姿勢が長く残るなら、顔と腕が前へ戻る流れを見ます。腰だけを力で持ち上げようとせず、平泳ぎの呼吸後に腰が沈むときの見直し方へ進んでください。
疲れた場所は、動画で見る場所を選ぶ手がかりです。腕が疲れたから腕の筋力不足、脚が疲れたからキックが間違っている、と対応を固定することはできません。
伸びを長くすれば楽になるとは限らない
平泳ぎの選手26人に音の合図で手足の時期を変えてもらった研究では、タイミングの条件によって泳速度の変動や本人が感じるきつさが変わりました。速度変動が小さい条件が、そのまま最も楽な条件になるわけでもありませんでした。van Houwelingenらの原著
対象は競技経験を持つ選手で、実験では決められた音に合わせて泳いでいます。大人の初心者が何秒伸びれば疲れなくなるかを示した研究ではありません。
USMSの技術ガイドも、速く泳ぐときは手足を合わせる時間の余裕が小さくなると説明しています。USMSの平泳ぎ・タイミング解説
したがって、回数を減らすためだけに伸びを長くする必要はありません。回数が少なくなっても、タイムが落ち、毎回強く蹴り直してきつく感じるなら、「省エネになった」とは判断しないでください。
次の練習では、続ける距離か休息のどちらかを変える
後半で変化が出たら、次回はその変化が出る前に休める練習を組みます。たとえば50mを続けると後半に余裕を失う人なら、25mごとに壁で休む方法があります。25mを何本も重ねて崩れるなら、本数を減らすか、一本ごとの休息を長くするところから試せます。
このとき、距離・本数・休息・フォームを同時に大きく変えると、何が泳ぎやすさにつながったかが分かりません。次の一本で確認したい条件を選び、実際に泳いだ内容を記録します。
十分に休んだ後も、普段より遅いタイムで強い負担が続く日は、予定を短く切り上げる判断も含めてください。距離をこなせたかに加えて、普通に呼吸しながら最後まで動きを保てたかを、次回へ残せる記録にします。


